今年11月にデビュー10周年を迎えるシンガー・ソングライター秦基博(35)が、ダブルA面シングル「70億のピース/終わりのない空」を、来月19日に発売することが5日、分かった。

 テレビ朝日系「土曜ワイド劇場」の主題歌となる「70億のピース」は、自分の手の届くところにある平和をテーマにしたミディアムバラードだ。キャリア10年にして、平和をテーマにするのは初めてという。

 秦は「大仰なメッセージソングではなく、身近なところから大きなところに届くようにと思って書きました。10年間でいろいろな曲を作り、今なら自分の責任の中で歌えるんじゃないかと思ってトライしました」。

 06年11月に「シンクロ」でメジャーデビュー。伸びのある歌声と感性豊かな歌詞やメロディーを武器に、着実にステップアップしてきた。14年、映画「STAND BY ME ドラえもん」の主題歌「ひまわりの約束」でブレーク。今年3~6月に行った全国ツアーでも、初めて秦のライブに訪れる人が増えたといい「ここ数年で自分の音楽を受け止めてくれる人が増えたんだと実感しました」。

 「ひまわり-」をはじめ、「水彩の月」(映画「あん」)「Q&A」(映画「天空の蜂」)、そして今回のもう1つの表題曲「終わりのない空」(映画「聖の青春」)など大型作品のタイアップが続く一方で、V6「Beautiful World」など、他の歌手への楽曲提供も増えるなど、引っ張りだこ状態だ。

 「最近はどの曲も“秦基博っぽいメロディー”と言ってくださることが増えて、10年かけて個性が認知されているんだと思うとうれしいです。次のテーマは、それをどう壊していくか。いかに、楽しく裏切っていけるかだと思います」

 優しく笑うその瞳の奥には、1つずつ積み上げてきた自信も感じさせた。【大友陽平】