米俳優メル・ギブソン(60)が、大ヒット映画「バットマンvsスーパーマン」(16年)を「クソ映画だ」と批判して話題になっている。

 映画「アポカリプト」(07年)以来およそ10年ぶりとなる監督作「ハクソー・リッジ」の公開を秋に控えているギブソンは、本作が公式上映されたベネチア国際映画祭の記者会見でハリウッドを痛烈に批判した。「ハリウッドはサバイバルだ」と語ったギブソンは、「こんなくだらない映画には興味がない。本物のスーパーヒーローとコミックの中のスーパーヒーローの違いが分かるかい?本物のヒーローはスパンデックスのスーツなんか着ないんだよ。お金がかかるから。無駄ばかりだ」と、2億5000万ドルの製作費を投じた大ヒットアメコミ作にかみついた。自身の新作は4000万ドルの製作費だと言われており、「法外な製作費だ。税金を支払った後、出資者に配当したら何も残らないだろ」と語った。

 監督作「パッション」(04年)は反ユダヤ主義と批判されたギブソンだが、第2次世界大戦中の沖縄戦を舞台に米陸軍衛生兵として活躍した実在の人物を描いた新作は同映画祭で10分に渡るスタンディングオベーションを受けるなど好評。完全復活との呼び声も高い。(ロサンゼルス=千歳香奈子)