吉村市長 中山泰秀議員に謝罪文要求

 自民党大阪府連会長の中山泰秀衆院議員(45)が、大阪市との公開会議の場で、橋下徹前市長時代に元助役室を使用していた人物の存在を挙げ「前市長の秘書だったかと思うが、覚せい剤で逮捕されてたって本当ですか?」などと追及した問題で、吉村洋文市長は20日、内部調査の結果「全くの事実無根との結論に至った」とし、中山氏に謝罪文提出を求めたことを明らかにした。回答期限を23日に設定した。

 大阪市役所で会見した吉村市長は「本日、中山会長宛に明確に文書で謝罪するよう要請しました。市で調査する限り、完全に事実無根。全く根拠も不明、事実も一切無いというのが結論です」と述べた。また中山氏が発言の根拠を「報道ベース」としていることに「いつのどの報道か、明確に開示すること」も要求したという。

 これまで中山氏は当該人物とは自身も面識があり、12年に橋下市長が就任した時期に助役室前で声をかけられたので激励したと説明。しかし「プライバシーを侵す恐れがある」と市側に実名を伝えることを拒否している。

 これに吉村市長は、先に内部調査を進めた結果を公表。「中山会長は否定しているが、(覚せい剤発言があった)会議後に副市長に口頭で名前を回答されている。その『Aさん』を調べたが、大阪市の秘書でも秘書に類する立場でもない。市長室、副市長室に在室したり、自由に出入りできる立場でもなかった」と説明。市長室エリアへの入室記録もなかったという。

 また、橋下市長時代の特別秘書らにも逮捕などの事実はないことも確認したという。

 一部に中山氏の人違いや、勘違いなどの可能性が指摘されているが、吉村市長は「国家予算要望の会議での公式発言です。何の根拠もなく、いきなり覚せい剤で逮捕という極めてセンセーショナルな内容ですし、公人の発言として大問題だ」と批判。参院選期間が迫るが「参院選は関係なく、これは大阪市と自民党大阪府連との問題だ。当然、中山会長もあの発言は参院選目当てはないでしょうし、目当てなら余計に大問題だ。公人として発言した以上は、その後の行動も責任をとっていただく」と追及を続ける姿勢を示した。

 【経緯】

 ◆6月12日 報道陣に公開された自民党と大阪市の「国家予算要望説明会」で、中山議員が「前の市長の時に、そこ(元助役室)にひとりの民間の方が方が入られた。これ市長の秘書だったと思うんですけど、この方が私報道で知ったんですけど、覚せい剤で逮捕されてたって本当ですか」と市側を追及。

 吉村市長は「会長も公の場でおっしゃる以上、うわさレベルの話ではないと思うが」と釘を刺したうえで、調査を約束。

 ◆6月13日 橋下氏がツイッターで「中山泰秀アホボンが、また大失態をやらかした。完全な名誉棄損」などと批判。吉村市長は「事実でなければ大問題」と発言。

 ◆6月14日 吉村市長が中山議員に該当人物の名前を回答するよう文書で求める。

 ◆6月17日 中山議員が取材に「プライバシーを侵害する恐れがある」と当該人物の実名回答を拒否する意向を示す。

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