中村橋之助あらため8代目中村芝翫(51)の襲名披露興行2カ月目の「吉例顔見世大歌舞伎」が1日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた。公演前、芝翫は息子3人(国生あらため中村橋之助=20、宗生あらため中村福之助=18、宜生あらため中村歌之助=15)とともに歌舞伎座稲荷(いなり)で成功祈願し、集まった観客にあいさつした。芝翫の妻でタレントの三田寛子(50)も見守っていた。

 芝翫の父で7代目芝翫さんは、行事ごとに雨が降る「雨男」で知られていた。この日は朝から雨が降り続いていたが、芝翫は笑顔で「本来なら私は晴れ男ですが、この雨を降らせたのはまたまた父親かなと。11月も父に守られながら芝翫が襲名できる。幸せだと思いつつつとめさせていただきたい」。

 昼の部「祝勢揃壽連獅子(せいぞろいことぶきれんじし)」では親子4人で連獅子を踊る。夜の部「盛綱陣屋」では初役で佐々木盛綱をつとめる。芝翫は「胸躍る思いはこういうこと」と意欲を語った。

 ほかに昼の部は「加賀鳶」、夜の部は「芝翫奴」「口上」など。25日まで。