中村勘九郎(35)の長男波野七緒八くん(5)次男哲之くん(3)が来年2月の歌舞伎座「門出二人桃太郎」で3代目中村勘太郎、2代目中村長三郎を名乗って初舞台を踏むことになり、24日、香川・高松市の女木島(通称鬼ケ島)、岡山市の吉備津神社で成功祈願を行った。

 勘九郎も弟七之助(33)と87年に「門出二人桃太郎」で初舞台を踏んだ時、亡き父中村勘三郎とともに鬼伝説が残る鬼ケ島大洞窟、桃太郎のモデル吉備津彦命を祭る吉備津神社を訪れている。さらに父勘三郎も59年「昔噺桃太郎」の初舞台時に祖父17代目勘三郎とともに2つの地を訪問した。勘九郎は「代々受け継がれる、桃太郎ゆかりの地をお参りできて幸せ」と言えば、同行の七之助も「家族力を合わせてしっかりした『桃太郎』を見せたい」。

 洞窟前で模造刀を手にポーズを取るなど張り切ったものの、暗い洞内ではびびるわが子の姿に、勘九郎は「僕らの時よりもおとなしい。親としてはしっかり稽古していい舞台にするだけ。父も喜んでくれると思う」。神社のおみくじの「大吉」に大喜びした2人は「格好いい桃太郎になります」と声をそろえた。【林尚之】