「ここでのスピーチはトランプ米大統領のツイートのネタになるだろう」。米ハリウッドで26日開かれたアカデミー賞授賞式は大統領批判の場となった上、最後の作品賞発表では、別作品が読み上げられてしまうミスまで起きた。

 司会のジミー・キンメルさんは冒頭からトランプ氏をやゆする発言を連発。同氏から「最も過大評価された女優の一人」と批判された名女優メリル・ストリープさんに、満場のスタンディングオベーションを受ける機会も演出した。

 中盤までに、受賞者らからトランプ氏に反発する発言が相次いだが、同氏は無反応。キンメルさんは自身のスマートフォン画面を会場のスクリーンに映し、同氏へ「どうしてる?」とツイートし、爆笑を誘った。

 作品賞の発表者はかつて映画「俺たちに明日はない」で共演したフェイ・ダナウェイさんとウォーレン・ベイティさん。受賞作品名が入った封筒を開けたベイティさんは困惑した顔になったが、ダナウェイさんが「ラ・ラ・ランド」と読み上げた。

 同作品のスタッフと俳優は歓喜して壇上へ。受賞スピーチの途中で、本当の受賞作は「ムーンライト」だと判明した。

 投票数の集計を委託されている企業の担当者が海外メディアに語った話では、各賞に同じ内容の封筒を2つずつ準備しており、作品賞発表の際、主演女優賞の「エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』」と書かれた紙が入った封筒が、誤って渡されてしまったようだ。