男子ゴルフの松山英樹(25=LEXUS)は先週の世界選手権シリーズ「デル・マッチプレー」(テキサス州オースティン)で1次リーグ敗退し、来週に迫った大目標のメジャー「マスターズ」(4月6日開幕)に向けて不安を露呈した。4人の選手が総当たりで、トップが決勝トーナメントに進出する大会の結果は1分け2敗。3日目はすでに1次リーグ敗退が決まっていたとはいえ、ルイ・ウェストヘーゼン(34=南アフリカ)に6アンド4で大敗を喫した。この成績に日本ゴルフ界のレジェンド・中嶋常幸(62)は「調子が悪い時というのはショット、パット、体のどこかが悪いものだけど、今の松山はその3つの全部が悪い。ヤバい」と評した。

 19日まで行われた「アーノルド・パーマー招待」でも45位に終わっており、確かに「ヤバい」状況。この1週間での立て直しが鍵となるが、中嶋は松山に光明がないわけではないという。中嶋自身の「マスターズ」最高成績8位となった1986年は「直前の大会ではショットがボロボロで予選落ちした」と振り返る。

 実際の順位は64位だったものの、3日目に78を叩いたこともあり、勘違いするほど悪い状態だった。それでも「マスターズ」までの1週間で立て直すことができ、トップ10入りを果たした。そうした経験があることから「松山にも何とか」と期待をかけている。

 ちなみに大会の優勝候補については、世界ランキング1位のダスティン・ジョンソン(32=米国)が本命で、あとは「横一線」とのこと。中嶋は「松山も復調すれば『横一線』の中に入れる」と予想する。果たして大先輩の思いに応えることはできるか。勝負はこの1週間だ。