俳優菅田将暉(24)が7日、東京・丸の内ピカデリーで、韓国の俳優ヤン・イクチュン(41)とのダブル主演映画「あゝ、荒野」(岸善幸監督)の初日舞台あいさつに出席した。

 作家、演出家寺山修司が手がけた唯一の長編小説の映画化で、東京五輪翌年の2021年の東京を舞台にした青春偶像劇。テーマでもあるボクシングにかけ、ボクサー役の菅田、ヤンはガウン姿で客席の間を通って入場した。赤コーナーから女性ファンの声援を受けて姿を現した菅田は、なぜか足早になり、「こういうとき、役者はダメですね。照れちゃう」と苦笑いした。

 作品は前編がこの日に公開され、後編は21日から封切られる。前後編で5時間を超える超大作だが、昨年夏の撮影では約3カ月間で70時間もカメラを回したという。2人のボクサーを指導する役どころのユースケ・サンタマリア(46)は「あとの65時間、どこに行っちゃったの?」と驚いた。さらに、ヤンが「1本の映画だと思っていた。前後編に分かれることは、撮影の途中で知りました」と明かすと、菅田は「誰か教えてあげてよ~」と突っ込んでいた。

 司会者から「続編をやりたいか?」と質問されると、ユースケだけは「ノー」と答えた。「このメンバーで仕事はしたいよ。何本も(作品を)やりたいくらい。でも『あゝ、荒野』については、この後どうするんだろう…というところで終わりでいいんじゃないか」。「やりたい」と答えた菅田は「ボクシングをやらなくても、『その後の幸せな俺ら』でもいいかなと思うと、アリかな。信次とバリカン(主人公2人)の10年後でもいいじゃん。高橋さんとユースケさんでやって下さいよ」と提案。まさかのむちゃぶりに、ユースケ、高橋和也も苦笑いだった。

 ほか木下あかり、木村多江、山田裕貴、岸監督が登壇した。