人間国宝で歌舞伎俳優の坂東玉三郎(67)が27日、大阪市内のホテルで、来年正月の大阪松竹座公演「初春特別舞踊公演」(来年1月2~26日)取材会を開き、共演する中村壱太郎(かずたろう=27)の成長ぶりに目を細めた。

 「いつまでもお子さんだと思っておりましたら、大人の芝居をされるようになり、先日は、すそをからめた足元がとてもきれいで、これはかなり、踊りの勉強をしているんだろうなと思いましたね」

 坂田藤十郎が祖父、中村鴈治郎を父に持つ壱太郎は、情感豊かな芝居心に色気をあわせもち、役者として急成長しているが、玉三郎は女形としての舞踊にも、感心させられたという。

 「170センチ以上(の男性)が女形をやっていると、すそをからめたときの足元がきれい、というのは、そうないこと。私は、とてもうれしかった」と繰り返した。さらに、壱太郎は「ことあるごとに(舞いを)聞きにきて、ひじょうに勉強熱心だなとも思いますね」と、天賦の才に加えた努力にも高く評価した。

 今公演は正月の舞踊公演で、玉三郎の口上で幕開け。壱太郎と「元禄花見踊(げんろくはなみおどり)」「秋の色種(あきのいろくさ)」でともに踊り、壱太郎による「鷺娘(さぎむすめ)」、玉三郎の「傾城(けいせい)」が予定されている。