AP通信は5日、社会派作品で知られる映画監督、ポール・ハギス氏が過去にセクハラ行為を繰り返していたと4人の被害女性の証言を基に報じた。同氏は脚本家としても知られ、日米双方の視点で太平洋戦争を描いたクリント・イーストウッド監督の映画「硫黄島からの手紙」「父親たちの星条旗」の製作にも携わった。

 米ハリウッドは映画賞のシーズンに入っているが、セクハラ問題は依然関心を集めており、新たな疑惑が表面化する可能性もありそうだ。

 報道によると、元広報担当の女性が2013年にニューヨークのアパートでレイプ被害を受けたと昨年12月に同氏を提訴。同氏は「でたらめだ」として被害女性を相手取って訴えた。その後、女性3人が同様の被害を受けたと、被害女性の弁護士に申し出たという。ハギス氏はいずれの訴えも否定している。

 ハギス氏は初監督作品「クラッシュ」でアカデミー賞作品賞などを受賞。「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本も担当した。