落語家三遊亭とむ(34)が21日、東京・有楽町のよみうりホールで1000人を集めて独演会「ラブファントム2018冬」を開いた。

 前日、ピン芸人日本一を決めるR-1ぐらんぷりで3回戦出場を決めたとむは、マイクを持って歌いながら登場。「昨年10月にエイベックス所属にならせてもらいました。夢は『a-nation』で落語をやることです」と、エイベックス所属のアーティストが集結する夏の野外イベントでの一席に意欲。さらに「歌手デビューの声も掛かるんじゃないかと期待しています。なんと言っても、ピコ太郎さんをブレークさせたところですから」と、19日に引退を表明したエイベックス所属のポスト小室哲哉にも興味を示した。

 この日は、まず古典落語の「紙入れ」を披露。さらに昨年12月3日に史上初めて、伊勢神宮の内宮で奉納落語が行われた際に演じた「ジャスティン・ビーバー」。孫のほしいジャスティン・ビーバーのアルバムと間違えて、おじいちゃんが生きたビーバーを買ってきてしまう奇想天外な新作落語だ。「奉納落語の時は、私がトップバッターでしたがら、史上初めて伊勢神宮内宮で演じられた落語です」と言いながら「ア~」とビーバーの鳴きまねの奇声をあげて笑いを誘った。

 最後は落語中興の祖・三遊亭円朝作とも言われる古典「芝浜」。照明に工夫をこらし、小唄を入れるなど情緒たっぷりに演じた。

 駄じゃれの笑いタレントから転じて、11年に“笑点のピンク”三遊亭好楽(71)に入門して落語家に。14年に二つ目に昇進。昨年10月には第1子となる長男・佐維文(さいもん)君が誕生した。「真打ち昇進披露は武道館でやりたいですね」と笑った。

 ゲストとして、お笑いコンビ・東京ダイナマイトと形態模写漫談のパーラー吉松(62)が出演した。