お笑いトリオ「レツゴー三匹」のレツゴー長作さん(本名・永原誠=ながはら・まこと)が1日午後8時35分、肺がんのため大阪市内の病院で亡くなっていたことが4日、分かった。74歳。この日、所属の松竹芸能が発表した。通夜、葬儀は親族のみで密葬として行われた。

 所属事務所によると、長作さんは、16年3月27日に道頓堀角座へ出演以降、末から進行性の肺がんのため、大阪市内の病院に入退院を繰り返していた。昨年2月には、舞台「おもろい女」を降板。昨夏ごろから抗がん剤の効き目が薄くなり、同末から緩和ケアに切り替え。息をするだけで苦しそうな様子を見せていたが、長男らに「お母さんを大事にせえ」などとの言葉を残し、妻、長男、長女、次女にみとられたという。

 長作さんは、松竹新喜劇を経て、69年に正児(77)、14年5月に亡くなったじゅんさん(享年68)と「レツゴー三匹」を結成。「じゅんでーす」「長作でーす」のあいさつに続き、正児が「三波春夫でございます」とモノマネをするつかみで知られるトリオだった。

 上方演芸界を彩った人気トリオとして大活躍。90年代以降は俳優として、NHK連続テレビ小説「あすか」(99年)や舞台に出演。歌手「人長作(じん・ちょうさく)」としても「道頓堀人情」などを発売した。

 トリオ最年少のじゅんさんが亡くなった際、長作さんは「一番若いのに一番先にいってしまうなんて、つらいとか悲しいを通り越して、思い出が走馬灯のようにめぐっています」と失意のコメントを寄せていた。

 所属事務所によると、戒名は「浄光法誠信士(じょうこうほうせいしんし)」。棺(ひつぎ)には、友人からの手紙、老眼鏡、めがね、三味線のバチ、漫才台本などが入れられたという。