「あゝ、荒野」(岸善幸監督)、「泥棒役者」(西田征史監督)で助演男優賞を初受賞したユースケ・サンタマリア(46)は、助演女優賞受賞の斉藤由貴(51)に「本番中におトイレに行くのだけはやめてください」と、授賞式中にトイレに行ったと暴露され「最近、異常にトイレが近くて、最近…。今度、病院に行って精密検査をしてきます」と病院に行く可能性を示唆した。

 斉藤によると、ユースケは新人賞の石橋静河(23)が登壇した段階でトイレに行ったという。ユースケは「言わなきゃ、誰も分からなかったのに…。(授賞式が始まって)3分の2くらいの時に…このままだったら、ぼうこう炎になると思った」と振り返った。主演男優賞の阿部サダヲ(47)からも「ここ(授賞式が行われたホール)に来る前も、エレベーターの前でユースケさんのトイレ待ちをした」と言われると「この間、したら、大丈夫だったんだけど」と、ぼうこう炎の検査をしていたことも明かした。

 受賞対象作「あゝ、荒野」では、菅田将暉演じる新次と韓国の俳優ヤン・イクチュン演じるバリカン建二を指導するジム会長の堀口を、「泥棒役者」でセールスマンの轟良介を演じた演技が映画記者に評価された。ブルーリボン賞初受賞の喜びは、ひとしおだったようで、スピーチでは「長いこと、芝居の仕事をやってきて全く賞に縁がなかった。年の初めに、誰が賞を取ったとみたいなのを横目で見ながら、誰も俺のことを見ていないんだ…でもいいや、俺は賞を取るために仕事をしてるんじゃない、金をもうけるためにやっているんだと自分をごまかしてきた。賞らしいものをもらえたらいいなと思っていたら、大きな賞をもらってしまった。うれしいものですね」と感激の思いを吐露した。

 ファンサービスも忘れなかった。ホールに入るなり「皆さん、今日はようこそいらっしゃいました。みんなを代表して」と観客に呼び掛けて客席を沸かせた。壇上でも「たくさん、お祝いをもらいました…車やピン札で300万とか…ウソですよ」、「追い風に乗って、いい作品に出会えたらいい、CMの話もドンドンくればいいなと思います」などとジョークを飛ばし、客席を笑わせ続けた。

 新垣結衣(29)が主演女優賞を受賞した際には、司会の松山ケンイチ(32)と大竹しのぶ(60)に促されてステージ中央に登場し、各受賞者のコメントを取った。そして来年、司会を務める新垣が「来年、楽しく司会、出来たらいいですね」と言うと、「ダメなら、俺も駆け付けますから。何らかの形で、ここにいられれば。何もなければおかしいから、いい作品に出て、何らかの形でここに引っかかれればいい…新人賞でもいいんだから」と再受賞に意欲を見せた。