英俳優ゲイリー・オールドマン(59)が、英映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」(ジョー・ライト監督、30日公開)で、2度目のノミネートで主演男優賞に輝き、初のオスカーを獲得した。

 「ウィンストン・チャーチル-」では、オールドマン自らが熱烈なオファーを出した日本人の特殊メーキャップアーティスト辻一弘氏(48)が、10年ぶり3度目のノミネートとなったメーキャップ&ヘアスタイリング賞で同部門で日本人初のオスカーを獲得しており、ダブルでのオスカーとなった。スピーチの中で、オールドマンは「辻さん…芸術に感謝します」と辻氏に感謝のメッセージを送った

 オールドマンは、メークを担当することが出演の条件だとメールで辻氏に熱烈なオファーをした。オールドマンの顔は楕円(だえん)で両目の距離が近く、演じた主人公のチャーチル英首相の丸顔で目が離れた顔とは正反対だったが、辻氏が開発と試作に6カ月、合計200時間以上かけ、毛穴や毛細血管まで手で細かく描いた特殊メークでチャーチル英首相に“変身”。特訓してしゃべり方、声色までまねた演技も高く評価された。

 オールドマンは「私は深く感謝しています。この素晴らしい賞をいただきまして、アカデミーの皆さん、ありがとうございます。長年、米国に住んでいますが愛情と友情、さまざまな恵みを受けた。生活も家族も、今やアカデミー賞も受賞した。映画というのは、ものすごい力を持っている。映画で夢を感じることが出来た」とスピーチの中で重ねて感謝した。