米アカデミー賞で最優秀長編アニメーション作品賞を受賞した映画「リメンバー・ミー」(16日公開)のジャパンプレミアが8日、東京・上野公園の野外音楽堂で行われた。

 「死者の国」に迷い込んだ音楽が大好きな少年ミゲルと家族の絆を描いたディズニー・ピクサー最新作。日本語吹き替え版声優を務めたのは、主人公ミゲル役の石橋陽彩(ひいろ)や藤木直人(45)松雪泰子(45)橋本さとし(51)横山だいすけ(34)ら。日本語版エンディングテーマは、シシド・カフカと東京スカパラダイスオーケストラのコラボレーション。

 シシドとスカパラは、主題歌「リメンバー・ミー」を初めて生披露した。シシドは声優として作品にも参加している。「終わった後に心が温まる物語がたくさん詰まっていた。あらためて音楽はすてきなものだと感じました。音楽を仕事にできて、皆さんの前で歌う機会をいただけていることを大切にしていこうと思いました」と、作品に携わった感想を述べた。

 劇中ではメキシコのお祭り「死者の日」が描かれる。祭壇に家族の写真を飾ってお祝いする文化があるというが、藤木はこれにならい、子供の写真を飾ってアフレコに臨んだという。「映像があるものに声を当てるのは初めて。1秒ごとに(せりふが)決まっていて根気のいる作業だったけれど、子供たちの笑顔が待っていると思って頑張りました」とほほえましいエピソードを披露した。

 今年2月にメキシコを訪れたスカパラの谷中敦は「現地の人が『胸が熱くなるようなエピソードがいっぱいで、世界中の人に見てもらえるのがうれしい』と。本国の人が誇りに思うような映画は素晴らしい」と絶賛した。

 アカデミー賞受賞について、松雪は「世界中で70の賞を取っていたと聞いたので確信していました。日本中に広がったらうれしいです」と公開を待ちわびていた。