脚本家の三谷幸喜がこのほど、都内でフジテレビ系スペシャルドラマ『黒井戸殺し』(4月14日19:57~23:10)の取材に応じ、アガサ・クリスティ原作ドラマを「あと50作くらいできる」と、シリーズ化に意欲を示した。

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三谷幸喜

今作は、アガサ・クリスティが1926年に発表した人気長編推理小説『アクロイド殺し』を日本で初めて映像化するもの。2015年に、クリスティの名作『オリエント急行殺人事件』(視聴率:第一夜16.1%、第二夜15.9% ※ビデオリサーチ調べ・関東地区)で脚本を手がけた三谷によって『黒井戸殺し』として脚色され、主人公の名探偵・勝呂武尊(すぐろ・たける)役を、引き続き野村萬斎が演じる。

「学生の頃からアガサ・クリスティが大好きで、自分が脚本家としてクリスティの原作を手がけることになるとは、本当に幸せな機会をいただいた」という三谷は、原作をあらためて読み直すと、「本当によくできていて、変に脚色し過ぎてはいけないものなんだとすごく感じました」と感服。一方で、「(原作を)読み込んでいくと、『クリスティさん、ここは矛盾してませんか?』と思う箇所もあったりしたので(笑)、そこは僕の方で、より精度を高める作業をしました」と話す。

3時間の放送尺で殺人事件は一度しか起きないが、「前々から日本のサスペンスものは人が死にすぎる気がしていたので、今回のように、一度の殺人事件だけでも、お話が面白ければ成立するんだということを、あらためて示したかったんです。どうやって犯人をあぶり出していくのかという推理の道筋を楽しんでいただければ」と力説。また、「今回は『ドラマとしてまったりしすぎなんじゃないかな』という不安も少しあったんですが、もし皆さんがそう感じたら、それは原作のクリスティさんのせいです、という言い訳もできる」と冗談めかした。

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前作『オリエント急行殺人事件』の放送直後には、すでに『アクロイド殺し』を次の題材とすることを決めていたそう。その理由については「普通のミステリーだと、犯人が分かった瞬間にそれ以外は興味が薄れてしまいがちなんですが、脚本家としては犯人以外の人にも人生やドラマがあって意味のある登場人物でなければいけない。『オリエント急行』もそうでしたが、『アクロイド殺し』も人物全員にきちんとした物語があるので、脚本家の"書きたい"という思いをかき立てる作品だと思います」と明かした。

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あらためて、今作については「とてもいいドラマになりました」と自信。「最初にプロデューサーに『横溝正史の金田一シリーズの未発表のものが発掘されて、映像化されるみたいなものになればいいな』とお伝えしました。日本のどの年代に置き換えるかを考えた時に、一番フィットしたのは『犬神家の一族』や『八つ墓村』といった戦後すぐの農村で、わりとうまくいったと思います。映像的にもとてもきれいな画が撮れてると思いますし、普通のテレビドラマにないゴージャスなものになった」と手応えを語った。

その上で、「日本のテレビドラマでこんなにいい作品ができるんだよということを、皆さんに感じていただければ」と呼びかけながら、「クリスティの作品には、まだあれもやりたいこれもやりたいというものがあって、あと50作くらいはできる気がしていますので、ぜひシリーズ化を進めていきたいと思います」と意欲を示した。

(C)フジテレビ