フジテレビはこの4月に、BSを含めたすべての報道・ニュース番組のブランドを『プライムニュース』に統一する大改革を実施。深い取材と鋭角的な視点で、物事の本質に迫る"本格ニュース番組"を目指すもので、マイナビニュースでは、この新番組のキャスターにインタビューをしていく。

第2弾は、『FNNプライムニュース デイズ』の平日版(4月2日スタート、毎週月~金曜11:30~11:55)に出演する梅津弥英子アナウンサー(月~金曜担当)、大村晟アナウンサー(月~木曜担当)、奥寺健アナウンサー(金曜担当)。お昼休み前のひと時に、落ち着いた口調で最新のニュース伝える裏側では、テレビ画面から想像できない光景が繰り広げられているという――。

  • 001のalt要素

    (左から)大村晟アナ、梅津弥英子アナ、奥寺健アナ

担当アナが神様に見えた

――30年以上続いた『FNNスピーク』の後番組ですが、今回起用を聞いた時の心境をお聞かせください。

梅津:昼のニュースは、ある意味で報道の要だと思ってるんです。25分間の放送ではあるんですが、ニュースとなる事象が1日で一番動く時間帯で放送するので、私が入社した時は神様に見えた大先輩の堺正幸さんと木幡美子さんが務めていました。私の変わらぬ目標の番組でしたので、今回そこに「君を任せたい」と言われた時は、本当にビックリしたのと、今は「いよいよこういう役を任されるようになったんだ。これはしっかりしなければ」という気持ちでいっぱいです。

――入社以来、憧れの番組だったんですね。

梅津:そうですね。時々、局内見学に来られたお子さんをご案内することがあるんですけど、いろいろあるアナウンサーの仕事の中でも、お昼のニュースは難しい仕事なんだとお話しするんです。その時に、決められたことを正確に読むのもちろんなんですけど、原稿内容がどんどん変わるのに、それを時間通りに収めなきゃいけないんだよって説明すると、目の前にいる小学生の子供たちが「すごいかっこいい!」って驚くんですよ。だから、私は昼のストレートニュースを捌(さば)くというのは、アナウンサーの仕事の中でも職人の技だと思っています。

――今日は、昼のニュースの現場を見学されてきたそうですね。

梅津:普通の顔して読んでるんですけど、最初のほうのニュースはほとんど原稿が入ってきてないことがあるんですよ! 5分前にスタジオに入るのに、冒頭の大きなニュース項目のうち2つくらいまだ原稿が入っていないというのが日常的にあって、驚きました。

大村:ドッキリなんじゃないかと思うくらい、原稿が手元にないんです。それだけフレッシュな情報を伝えたいというスタッフの皆さんの思いがあるんですけど、僕が今まで経験したニュース番組と時間帯が違うだけで、かなり違う雰囲気がありますね。

――大村さんは、起用が決まった時の心境はいかがでしたか?

大村:『プライムニュース』という統一ブランドが誕生することに、フジテレビが動いてるなという印象があって、本当に大きなプレッシャーがドンとのしかかってきました。昼のニュースは注目度も高いし、どんどん原稿も入れ替わるし、見ているだけでも正直大変だなって言う思いがあったので、それをやっていかなければならないということを一度自分の中で整理して、家族や友達に相談して「大丈夫だよ」というひと言をもらって、今少し安心しているところです。

実は朝8時から臨戦態勢

――昼のニュースの裏側がそんな状況だったとは、知りませんでした! 現在月~金で担当されている奥寺さんは、とても落ち着いてニュースを読んでいる印象があったので…。

奥寺:面の皮だけが厚くなりました(笑)。先ほど、昼の動いてる時間帯の25分という言い方をしていましたけど、昼のニュースを担当していると、実は朝の8時から13時までいつでも行けるように常にスイッチを入れっぱなしにしてるんです。大きなニュースがあると、放送中の番組に「カットイン」といってすぐお伝えできるように待機してるんですね。だから、常に臨戦態勢で、11時半から25分の間だけ表から見えているという意識なんです。

――確かに「ここで報道センターからニュースです」と、入ってきますね。

奥寺:13時からは夕方のニュースの人間がスタンバイしていて、夕方が終わると今度は夜の担当がスタンバイするというローテーションで、まるで消防士さんのような気持ちでやってるんですよ。やはり、2011年の東日本大震災が非常に大きなインパクトになっていて、それによっていつでもわれわれは何か起きたらすぐに報道するという気持ちがついたし、今の時代、何秒のニュースを何秒で読むなんていうのは全くなくて、起きたことの全体像まではまだわからない不完全な段階情報かもしれないけれど、ここまで分かっている情報はとにかくお伝えしたいという気持ちで、短い時間の中でもお伝えしていくというのが、現在の昼のニュースの役割なんじゃないかなと思ってますね。

梅津:頑張ります。

大村:勉強になります。

――他の時間帯のニュース番組は、キャスターがリード文を読むと、その後はナレーターの方が読むというパターンが多いですが、昼のニュースはキャスターが最後まで読むというシーンが多い気がします。これも特徴ですかね?

奥寺:そうですね。その原稿と言うのは記者が書いてきたものをデスクが整えて、最終的に番組の責任者である編集長役がチェックして持ってくるので、きちっとオーソライズを経てわれわれの元に来るんですよ。キャスターが最後まで原稿を読むというのは、昔からある形ではあるんだけれども、一番責任を持って出せる情報ということであるので、今度はさらに、しゃべり手が、ただ読むだけじゃなくて、聞いている人に人間味が伝わるやり方もあるんじゃないかなと思うんです。そこが、僕らの面白いところでもあると思ったりするんですよね。