歌手谷村新司(69)が8日、東京・国立劇場でコンサートを行った。

 「今年の(コンサートの)テーマは『38年目の昴』。アルバム「昴」が誕生したのは1980年。32歳でした。当時、何を考え、行動をしていたのかを考えながら選曲をしました」と説明をしながら「昴」「遠くで汽笛を聞きながら」「忘れていいの」など22曲を約2時間半かけて熱唱した。

 「ラ・カルナバル」の歌唱時には、「1981年の日中国交正常化10周年記念の友好コンサートで歌った曲です」と紹介。「夜明けとともに、あふれ出てくる自転車の洪水の中で見上げた、抜けるような青い空を今でも覚えている」と思い出を語りながら、約1600人のファンと大合唱した。

 谷村は常にチャレンジ精神を忘れない。

 昨年のアーティスト活動45周年の時には、自動車免許を取得。尊敬する作家五木寛之氏の作詞による新曲「Keep On!」を作った。「車の教習所の教官から『おめでとうございます。初めての免許更新が、高齢者講習ですね』と言われた」と笑わせて、「免許の取得は脳の活性化につながった気がする。皆さんにもお勧めです」。

 今年は6月6日にベストアルバムを発売することが決まっている。「いい日旅立ち」「陽はまた昇る」などソロ初期の名曲を新たにレコーディングをし直すという。「今日のコンサートの曲を中心に選曲をして、アルバムを発売後、全国ツアーをやります」。

 そして来年。70歳の節目を迎える年に、2013年以来、6年ぶりに「アリス」を再始動させる。古希を迎える3人で全国ツアーも行う予定だ。