沖縄県内で開催中の「島ぜんぶでおーきな祭 第10回沖縄国際映画祭」(19日~22日)で21日、映画『洗骨』(2018年公開)の舞台挨拶が行われ、照屋年之監督(ガレッジセール・ゴリ)、奥田瑛二、筒井道隆、水崎綾女、鈴木Q太郎(ハイキングウォーキング)が登場した。

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    左から照屋年之監督(ガレッジセール・ゴリ)、水崎綾女、奥田瑛二

同作は、照屋監督の短編映画『born、bone、墓音。』を原案に自ら脚本を執筆、監督も手掛け、長編映画として生まれた作品。"洗骨"とは、一度土葬あるいは風葬などを行った後に、死者の骨を海水や酒などで洗い、再度埋葬する葬制で、同作では洗骨という家族の儀式を通して、そこに至る過程での家族の思いやバラバラだった家族がひとつになってゆく姿、血のつながりや親から子へ「生命」というものがバトンタッチされつながれていく様をコミカルに描いた。全編沖縄ロケによる美しい島や海の風景も見どころとなっている。

照屋監督は「実際に粟国島に行って洗骨を何度も経験したでおじいちゃんおばあちゃんから話を聞くと、先祖から命をつないでもらってるありがたさを感じているんだなというトークが聞けて、これは映画にすべきだなと。洗骨を通じて一族、家族の絆を表現したいと思った」と題材に"洗骨"を選んだ理由を説明。同作は、第40回モスクワ国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に公式招待されており、「あさって行ってきます」と話した。

主演の奥田瑛二は、俳優としても監督としても海外の映画祭に参加した経験から「すごいぞ。監督への尊敬のまなざしが。役者はゴミみたいで、日本とは真逆」と証、「国際映画祭に招待作品で行かれるということは そこからもう一つの扉が開く。照屋年之という映画監督として帰ってこられるという魔法のようなこと」とコメント。また、「類まれな才能を持った監督だと思うからこそ参加させてもらった。さらにモスクワから帰られた新たなる道があり、その扉が開いたということ。楽しんできてください」と監督としての才能を絶賛すると、照屋監督は「ありがとうございます。ありがたいお言葉ですね」と感激していた。

そして、照屋監督は「今回で11作目。毎回撮るたびに勉強になりますし、お客さんの反応を見るのが好きなんです」と観客に語りかけるように話し、「沖縄を舞台にすばらしい作品ができた。これだけのすばらしい俳優陣が『出てあげる』って決めていただいたことに感謝しています」と思いを語った。

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2009年にスタートした同映画際は、春の沖縄を代表する総合エンタテインメントの祭典。10回目となる今年は、4月19日~22日の4日間、那覇市、北中城村などで開催する。期間中は映画の上映のほか、舞台挨拶、レッドカーペット、お笑いライブ、音楽ライブ、ファッションショーなど、バラエティに富んだイベントを開催する。

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