津田寛治(52)駒井蓮(17)が5日、都内で、ダブル主演映画「名前」(戸田彬弘監督、30日公開)完成披露舞台あいさつに出席した。

 同作は、10年「月と蟹」で直木賞を受賞した作家道尾秀介氏(43)原案の作品。全てを失った男と、心のよりどころを探す少女が紡ぎ出す、かなしくも温かな絆を描くヒューマン・ミステリー作品。津田は、さまざまな偽名を使い自堕落な生活をする正男、駒井は正男を「お父さん」と呼ぶ女子高生、笑子を演じる。

 今作が初主演となる駒井は「撮影に入ると、監督や役者のみなさんがナチュラルに接してくれたので、緊張しなかった」と大物ぶりをうかがわせた。津田も「最初は原石のようにフワッとした輝きだったけど、撮影に入ると、舞台となった茨城県との化学反応なのか、玉虫色の光を放っていった」と絶賛。「監督がそのシーンを止めることなく、逆にストーリーを変えていった」とも続けた。

 津田は「これから輝く原石や、日本映画を支えてきたような、ものすごくたくさんの名優が出演していますが、監督がその個性を生かしてまとめてくれた作品になっています」。駒井は「老若男女を問わず、共感できるシーンがあると思いますので、そんなシーンを見つけて楽しんでください」とアピールした。

 この日、道尾氏、戸田監督(34)勧修寺保都(21)松本穂香(21)池田良(40)木嶋のりこ(30)金沢美穂(23)比嘉梨乃(26)真広佳奈(19)小槇まこ(23)柿本朱里(17)波岡一喜(39)田村泰二郎(69)西山繭子(40)も登壇した。

 道尾氏は「実は脚本を読まずにOKを出した」と明かした。「僕は『餅は餅屋』という考えがあって、映像のための脚本は、その道のプロに任せたほうがいい」とその理由を語り、「実際にできあがった作品をみて、素晴らしい作品に成っていると思いました」と述べた。