落語家桂歌丸さんが2日、慢性閉塞性肺疾患のため81歳で死去したことを受け、ラップグループ「ライムスター」の宇多丸(49)がこの日、パーソナリティーを務めるTBSラジオ「アフター6ジャンクション」で、芸名使用の許可を与えてくれた「恩師」との知られざるエピソードを明かした。

 宇多丸の芸名は、歌丸に由来するという。ラッパーの間で90年代、歴史上の人物の名前を付けることが流行。宇多丸はそり頭姿で識者のようにはっきりもの申す姿から、仲間内で「歌(丸)さん」と呼ばれており、「安直に『歌丸』と付けた」と明かし、後に「うたまる」の読みを残しつつ、「宇多丸」と漢字を変えた。しかし、活動が音楽にとどまらなくなってきたことから、「この活動規模になると気まずい」と決意。歌丸さんの弟子で、知り合いの桂歌蔵を通じて11年、歌丸さんに初めて会ったという。恐る恐る芸名使用許可を求めると、歌丸さんは「どうぞお名乗り下さい。宣伝になるから」と快諾してくれたという。

 その後、歌丸さんと会うことはなかったという。「正式許可をいただいた後も、不義理が続いて、お会いすることのないままここ(訃報)に来てしまった」と後悔した。最後に「型どおりではありますが、ご冥福をお祈りします。師匠、お疲れ様でした。そして、その節はありがとうございました。おかげで、元気にこの番組にも出させていただいています」と、故人への感謝を口にしていた。