演歌歌手たくみ稜(58)が30日、大阪市内で6月13日にリリースした新曲「夢でいいから」の発売記念コンベンションを開催した。97年に内山田洋とクールファイブのボーカルとして参加してから約20年。04年からソロ活動を開始し、こつこつ努力を重ね、実力派歌手としての地位を築いてきた。

 売れなくてどん底も味わったというたくみだが、この日は地元大阪での新曲発表とあり、終始関西弁で語りかけ、リラックスした発表会となった。新曲「夢でいいから」は、当初カップリング曲の予定だったが、たくみの原点ともいえるムード歌謡の歌唱法、声質がぴったりとはまり、メイン曲に決定した。「女性の人も歌っていただける親しみやすい曲ですよ。本当に歌いやすいと思います」。

 中高年に支持される歌になれば、「大阪で1人暮らしをするお母ちゃんに恩返しできる」とたくみ。長年応援し続ける77歳の母への思いは、信条とする「継続は力なり」の原点なのかもしれない。

 活躍の場は歌手だけにとどまらない。来春に全国ロードショーが決定した映画「ある町の高い煙突」に、煙突を建てるとび職人の頭領の役で出演する。仲代達矢、吉川晃司らの俳優に交じり、どんな存在感を示すかこちらも楽しみだ。