日本相撲協会の北の湖理事長(享年62)の訃報に、芸能界も悲しみに包まれた。今は芸能界で活躍する元大関で歌手の増位山太志郎(67)も大きなショックを受けた。

 増位山は20日、長野県内で松原のぶえらと演歌コンサートを行い、終演後にニュースで死去を知り、日刊スポーツの電話取材に応じた。

 増位山は「想像もしていなかっただけに、大変ショックというか驚いています…」と絶句した。「実は、直腸に腫瘍があって手術していて、具合が悪いのは、僕は前々から知っていました。でも、理事長は絶対に弱みを見せない人だったから、公にはしなかったんです」と明かした。

 年は上だが、同部屋の同期生だった。現役時代に最も身近で汗を流し合った“戦友”だ。引退後は、部屋が近いこともあり、横綱として理事長に上り詰める北の湖さんを、親方として同じ出羽海一門の重鎮として支えた。増位山は一昨年の11月、一足先に日本相撲協会を定年退職。第3の人生として歌手に専念していた。

 増位山は「僕は定年して協会にいなかったけど、妻同士が連絡を取り合っていたから、妻に『最近の具合は?』って聞いてたんです。若いというよりも、幼いときから一緒に苦労してきた仲で思い出が多すぎる。落ち着かないと、何を話せばいいのか分からないよ。僕より5つも若いのに…。動揺しています」と声を震わせた。【瀬津真也】