俳優舘ひろし(68)が4日、カナダで開催された第42回モントリオール世界映画祭で、主演映画「終わった人」(中田秀夫監督)の演技で、最優秀男優賞を受賞し、都内で会見を行った。

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最近の舘は、これまでにない挑戦を続けている。ドラマ、映画「あぶない刑事」シリーズで知られるクールでダンディーな役以外に、枯れた男性も演じるようになった。「終わった人」では着肉と呼ばれるあんこを付けだらしない体に見せたり、別の作品ではこれまでに見せたことがなかった無精ひげ姿にもなった。

舘は「ハードボイルドは好きだし得意だけど、年を取ったので、走ったりできないから。特に心境の変化というのはないです」と笑ったが、丁寧に台本を読み、自分と向き合っている様子が感じられる。

「終わった人」の製作開始時には「このまま『かっこいい舘ひろし』を演じ続けていたらかっこ悪いし、気持ち悪いでしょう。ちゃんと自分を見つめてみて、やるべきだと思った。ちょっと大人になったかな」と話している。

この日も「『終わった人』というすごいタイトルの作品だけど、それをやる勇気がまだ自分にはあった。どんなことでも、オファーをいただければやっていきたい」と語っており、まだまだ新しい舘ひろしが見られそうだ。【映画担当=小林千穂】