“キング”内村航平が今季世界2位の高得点でV 体操界の暗いムード吹き飛ばす圧勝

あん馬の演技を行う内村航平=北九州市立総合体育館
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 「体操・全日本シニア選手権」(15日、北九州市立総合体育館)

 シニア男女1部が行われ、男子は内村航平(29)=リンガーハット=が87・750点で3年ぶり5度目の優勝を飾った。ルールや採点が変更された16年リオデジャネイロ五輪以降では自己ベストで、今年5月の中国選手権で、個人総合現世界王者の肖若騰が出した88・150点(中国国内内規ボーナス込み)に迫る今季世界ランク2位の得点をマーク。10月開幕の世界選手権(カタール、ドーハ)に向けて、上々の形で前哨戦を終えた。

 圧巻の内容だった。最初の種目だったあん馬を抜群の安定感で14・550点を記録すると、つり輪は着地まで完ぺきにきめて、14・300点。NHK杯までのシューフェルトから難度を上げたヨー2に挑んだ跳馬も、なんなく決めて、14・750点のハイスコアをマークした。平行棒ではほぼ完ぺきな演技で15・000点、鉄棒もコバチ、カッシーナ、コールマンの離れ技を完遂し、14・650点と高得点を並べた。最終種目となった床では、体力面が不安視されたが、ラインオーバーこそあったものの、それでも大きなミスはなく、14・500点でまとめた。

 今大会に向けての調整の間、女子代表チームにおける暴力、パワハラ問題で、日本体操界を暗いムードが包み込んだ。そんな喧噪の中でも、内村は心を乱さず、黙々と己のやるべきことを突き詰めてきた。6種目の構成は、5月のNHK杯から大幅に難度を上げ、世界選手権に向けて勝負の構成が完成させた。

 「かなり上げた。だいぶ体の状態もいい。リオ五輪前の状態に戻ってきた」。手応えを掴んで臨んだ前哨戦で、第一人者の貫録をみせつけた。

 体操界に漂うよどんだ空気を振り払った内村が、王座奪還を狙う世界の舞台へと飛び立つ。

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