宮城・仙台市太白区で16日、“勝負の神”として知られる秋保神社の例大祭が開催され、初代「勝負の姫君」に女優風谷南友が任命された。

同神社はフィギュアの羽生結弦選手やボクシング世界チャンピオンの村田諒太選手らが試合前に参拝していることで有名となった。初代に任命された風谷は「神社の名に恥じぬよう大役を努めていきたい」と意欲をみせた。同神社は今後、秋保温泉なども含めた地域活性のPR活動にも努め、参拝者を増やしたいとしている。

秋保神社は、およそ1200年前、征夷大将軍だった坂上田村麻呂が熊野神社を祭ったのが始まりだと言われている。その後、室町時代に信州の諏訪大神に本土回復を祈願したところ戦勝の御神徳を得た事から、諏訪神社の御神霊を勧請して「戦の神」の祈願所として崇拝されるようになったとされる。

近年は、羽生選手らが競技前に参拝し、好成績を収めていることから「勝負の神」としての注目度が一気に高まり、参詣者が増加してきたと言うが、その一方で、最近は「スポーツ等の勝ち負けを競う競技だけでなく、人生を勝負事と考え、商売繁盛、合格祈願、恋愛成就等の必勝祈願する神社としても参拝する方々が増えてきている」(関係者)。

そういった盛り上がりの中で、同神社では「人生を一生懸命生きている、戦っている方々をたたえ、いざ勝負の場に立った時、日頃の努力の成果を遺憾なく発揮できることを願う姫君」として、秋保神社公認の「勝負の姫君」を選出したという。

風谷は、女優や声優として活躍するが、殺陣や抜刀道、さらには日本舞踊などを特技とし、香港の俳優に「阿部一刀流」の抜刀を指導する手伝いなどもしている。昨年は京都・随心院の「ミス小野小町」を務めている。

同神社では「容姿だけでなく、美しい心を持った女性であると判断した。たてや一刀流なども学び、常に“心・美・体”への努力を怠らない姿が“勝負の姫君”に相応しい」と起用の理由を説明。その上で「秋保温泉の観光資源を広く伝えることにより、インバウンドの獲得、地域・地方活性化を目指しさまざまなイベントに取り組んでいきたい」と言う。

任命式では風谷による抜刀術なども披露した。風谷は「勝負の神が宿る由緒ある秋保神社の、初代『勝負の姫君』に任命頂き、光栄の極みです。日頃から努力を重ね、勝負に挑んでおられる皆様をたたえる『勝負の姫君』として、その名に恥じぬよう、私も努力し恥じぬ行動を重ねつつ、この大役を努め上げたい」と話した。