俳優柄本明(69)と石倉三郎(71)が5日、都内で舞台「誰もいない国」(11月18~25日、東京・新国立劇場)のトークショーに出席した。「誰も-」は、05年にノーベル文学賞を受賞した英国の劇作家ハロルド・ピンターの作品。翻訳の喜志哲雄京大名誉教授(82)と演出の寺十吾(じつなし・さとる)と共に語り合った。

柄本は「人間だから書いてあることを読めば、何かが襲ってくる。それが芝居、何かが生まれてくる。それがセリフを読むこと。役者の仕事って、書いてあることを読んで、言えば、家に帰れる。そういう仕事。私にとって、芝居とはセリフ」と話した。

石倉は「この膨大なセリフの量をどうしよう。死ぬ思いです(笑い)。魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界に入ってまして、こんなに難しいのは初めて。私の感覚じゃ行けない。焦りまではいかないけど、ちょっと不愉快なんですよね。なんだか、ややこしくて、まだ整理ができていない。でも、やって行くしかない。ハロルド・ピンターに好かれてないのかな。私にとっては高尚すぎる。千秋楽に聞いてくれたら、もっとかっこいい言葉を用意できると思う」と話した。