歌手和田アキ子(68)のデビュー50周年記念音楽祭「WADA FES(ワダフェス)~断れなかった仲間達~」を2日間、取材しました。

さすがは、芸能界のゴッド姉ちゃん。そうそうたる豪華アーティストたちが出演しました。どの歌手もそれぞれに、たしかな歌唱力があり、ファンならずとも聞き入らせる実力がありました。その中でも、個人的に印象的だったのは、初日は鈴木雅之(62)、2日目は氣志團でした。

両アーティストとも、誰も知るヒット曲を持っています。鈴木は、シャネルズ時代の「ランナウェイ」、ラッツ&スター時代の「め組のひと」、ソロでの「恋人」と「夢で逢えたら」を歌いました。歌唱力、歌の吸引力はもちろん素晴らしかったのですが、それに加えてトーク力が抜群で、観客を何度も笑わせて、悲鳴も上げさせました。自らを「ラブソングの王様」と名乗り、とことん観客に語りかけるMCは、多くの初見の観客すらも楽しませていました。

一方、氣志團も最高でした。すでに毎年、故郷の千葉で野外フェスを催しているだけあって、自分たちのファンじゃない観客をも楽しませる術を知り尽くしています。

早々と、一番のヒット曲「One Night Carnival」を歌い終えると、自分たちから「お客がイマイチ盛り上がっていなかった? そうだよ、17年も前のプチヒット曲だけで食ってきてる俺たちだよ(涙)」と、自虐ネタにして、ノリノリで楽しんでいた観客を、さらに笑わせる。

その上で「俺たちも流行を取り入れるぜ、この曲で紅白を目指します!」と言い、披露したのは、DA PUMPが今年ヒットさせている「U.S.A.」。しかも「One Night Carnival」の歌詞に替えて、完璧に歌い踊ってみせた。これには、共演したDA PUMPのISSAも「ずるいわ~」と脱帽するほど。オチャラケも、真剣にやれば、一流のエンターテインメントだと、きっちり証明していました。

大勢の、多種多様のアーティストが出演する音楽フェスは、ややもすれば、観客はお目当てのアーティストの出番以外は、いまひとつ盛り上がらないこともあります。ですが、鈴木や氣志團のような旺盛なサービス精神のアーティストは、全観客を盛り上げてくれるので、本当に助かります。彼らの出演だけで、ワダフェスは何倍にも楽しさが増していました。