「新派130年 11月特別公演 犬神家の一族」が1日、大阪松竹座で初日を迎えた。横溝正史原作のミステリーを原作に、76年に市川崑監督で映画化。大ヒットした名作を新派が初めて舞台化した。

物語の鍵を握る琴の師匠・宮川香琴役の水谷八重子(79)は「私が演じる役はどういう人間なのか、どういう役割で登場するのか、一番謎の多い人物だと思います。新しい挑戦を見守っていただければありがたく思います」とコメント。

犬神家の長女を演じている波乃久里子(72)は「稽古場が隅々まで活気づいていたので、お客様にもさぞ喜んでいただけると思います。これぞ新派だというものをお届けできれば」と意気込んだ。

一方、私立探偵・金田一耕助役の喜多村緑郎(49)は「この殺伐とした悲劇の中である種、お客様をホッとさせる存在になるのでは。等身大の人間で、親しみがありますね」。佐清、謎の青沼静馬と2役に臨むジャニーズ事務所の浜中文一(31)は「(両役とも)ものすごいパワーを持っている人物。2人とも戦争に行っていますし、生きる事が大変な時代。2人から『生きる』ことを学びながら演じます」と話している。

大阪松竹座公演は10日まで。東京・新橋演舞場でも14~25日に上演される。