中村梅枝(31)中村児太郎(24)が東京・歌舞伎座「十二月大歌舞伎」(2~26日)夜の部で「阿古屋」に初挑戦する。坂東玉三郎との日替わり出演となる。

「阿古屋」は琴、三味線、胡弓の三曲を演奏しながら、演技をする女形の大役。6代目中村歌右衛門の没後は、玉三郎だけが演じてきた。今回は玉三郎の指名で挑むが、きっかけは玉三郎が「阿古屋」を演じた3年前にさかのぼる。

梅枝は「揚げ幕で『阿古屋』の衣装がどうなっているか教えていただき、僕にもやらせたいと考えているのかと思った」、児太郎は「毎日拝見しました。感動して『やりたいです』と言ったんです」。

昨年12月から三曲の稽古を始め、楽屋にも楽器を持ち込んだ。梅枝は「ボロボロですが、役の重みを感じ、恥じないように演じたい」、児太郎は「今までにない緊張感で、稽古であり得ない汗もかいた。1つ1つのことをしっかりやるしかない」。2人が阿古屋を演じる時、玉三郎は岩永役で出演。舞台上から2人の初挑戦を見守る。