阿木燿子氏(73)がプロデュース・作詞、宇崎竜童(72)が音楽監督・作曲を手がける舞台「Ay曽根崎心中」(12日公開)の公開舞台稽古が11日、東京・新国立劇場で行われ、阿木氏、宇崎に加え徳兵衛の歌を担当する三浦祐太朗(34)が出席した。

同舞台は18年に渡り阿木氏がプロデュースを務めているが、今回結末を変えた。「今までは心中で終わっていましたが、希望の光がなくてはならないなと。心中はするけど、来世でまた会おうという約束で終わることで、生まれ変わったと思います。その希望の歌を祐太朗くんに歌ってもらうことで、かなり厚み、深みのある作品になったと思っています」と話した。

阿木氏は三浦の母、山口百恵のラストソング「さよならの向こう側」の作詞を手がけた。同曲では「約束なしのお別れです」としたが、今回三浦は「来世でまた会おう」という約束が含まれた歌詞を歌う。いわばアンサーソングというかたちにもなるが、阿木氏は「結果的にそうなりましたね」とほほ笑んだ。

三浦は「親子2代で歌わせていただくのはすごく幸せです」と話した。今回母からのアドバイスはなかったが、過去に1度だけ受けたという。「カバーアルバムを出したとき、『鼻濁音に気をつけなさい』と言われました」と明かした。「心中した後に幸せがあるという希望をのせて歌いたい」と意気込んだ。

この日、お初踊り役の鍵田真由美、同歌担当のRay Yamada、徳兵衛踊り役の佐藤浩希、九平次踊り役の矢野吉峰、同歌担当の若旦那が出席した。

若旦那は「今回は歌だけなんです。本当は飛び出したいけど、慎みます」と笑い、「裏では九平次と同じ表情で歌っています。世間では悪者の九平次ですが、九平次なりの正義や愛、ゆがんだかたちですが、そこを伝えたい」とアピールした。