NHKは14日、来年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」(1月6日スタート、日曜午後8時)の新たな出演者として星野源(37)松坂桃李(30)松重豊(55)を発表し、都内で記者会見を行った。3人はドラマの後半の主演阿部サダヲ(48)演じる64年の東京オリンピック(五輪)招致に尽力した田畑政治を支える役。星野は、せりふのほとんどが英語で、お茶の間のマダムキラーという設定という。

主役の阿部を中心に、チームワークの良さをうかがわせた会見だった。中でもひときわ話題を独占したのは星野源だった。星野は主に作品の後半から出演するが、第1話から、せりふがほぼ英語だったことを明かした。

星野は、NHK解説委員も務め、マダムキラーとも言われた外交評論家の平沢和重役。「東京五輪招致のため(英語で)伝説のスピーチをした人物。平沢さんを調べるほど人間的にすてきな人」と紹介。「まだ僕は2日しか撮っていない。しかもほとんどせりふが英語で日本語を全然しゃべってない」と悪戦苦闘している撮影風景を語った。「(脚本には)普通にせりふが書いてあって、なるほど、と思って読んでいたら、最後に英語と書いてあった。これは大変なことになったと思った」と苦笑いした。同局によると、英語の先生を付けてせりふを覚えたという。阿部も「カンペを見ずに話したので感動した」と星野の奮闘を絶賛した。

星野が英語で話すシーンは共演者みんなが目撃した。「チーム感があって楽しみ。とにかく松重さんは阿部さんをいじる」。阿部の印象については「大好きな人。本当に思ってます」と話した。

松坂は、モテ男とされた日本オリンピック委員会常任委員の岩田幸彰役。「阿部さんの右腕役ですが、以前、阿部さんと映画で共演したとき、(自分が)ゲスな役で『松坂嫌い』という報道も見た。この作品で阿部さんの信頼を取り戻したい」と呼びかけた。

松重は東京都知事の東龍太郎役。「阿部君にいろいろ聞こうとしたら何も知らなくて。阿部君は好きだが今回は期待してない」とイジリ倒した。前半の主演を務める中村勘九郎は「皆さんのチームワークにグッときた」と語った。

会見では、ビートたけしが演じる古今亭志ん生の長女美津子を小泉今日子が演じるほか、根岸季衣、永島敏行、柄本時生らも出演することも発表された。【中野由喜】

◆「いだてん」 主演を歌舞伎俳優中村勘九郎と阿部サダヲの2人がリレー形式で務める。前半は勘九郎が日本人初の五輪選手金栗四三を、後半は阿部が64年の東京五輪招致に尽力した記者の田畑政治を演じる。前半は1909年の東京を舞台にマラソンの金栗と短距離走の三島弥彦の友情と同大会を描く。後半は田畑と東京高等師範学校校長だった嘉納治五郎が、スポーツ大国へと成長した日本に五輪を招致しようと奮闘する姿を描く。