大みそかの「第69回NHK紅白歌合戦」(午後7時15分)でヒット曲「天城越え」を歌唱する演歌歌手石川さゆり(60)が、世界的ギタリスト布袋寅泰(56)とコラボレーションすることが22日、同局から発表された。

共演のきっかけは先月、都内で行われた布袋のライブを見た石川が、ダイナミックな演奏にほれ込んだこと。すぐに電話をかけて直談判を試みたところ、夢の共演が実現した。

紅白本番では、三味線などの邦楽器30人と布袋のギターが和洋折衷のセッションをする。石川自身も「現在とこれからの日本の音楽を紅白歌合戦でお届けしたい。何が起こるのか…ワクワクしています」と“未知との遭遇”に期待した。

石川はこれまでも、異業種との交流・触れ合いを自身の成長につなげてきた。メジャー通算3000安打の偉業を達成したマリナーズ会長付特別補佐イチロー(45)との親交は有名だ。08年1月に兵庫県で行われた石川のライブを見たイチローが感激。その年のシーズンで、ホーム試合の登場曲を「天城越え」にした。以来、石川は毎年渡米して試合を観戦。イチローも帰国の際、石川の自宅を訪れるなどして、お互いに刺激を受けている。

06年には女優としての主演舞台で、元横綱の故北の湖親方に稽古をつけてもらったこともある。13年の舞台では劇中に落語のシーンがあり、立川志の輔(64)に指導を受けた。「やるからには中途半端なものをやりたくない」。異業種の第一線で活躍するプロとのコラボは、現状維持を望まない石川の“こだわり”でもある。15歳だった1973年(昭48)にアイドル歌手としてデビューして45年。リリースしたシングルは延べ123枚。貪欲な好奇心を糧に走り続ける石川は、紅組最多の41回出場を誇る歌謡界のトップランナーとなった。

06年以来、12年ぶり2度目の出演になる布袋も「魂のボーカリストとの共演は『ギタリスト冥利(みょうり)に尽きる』」。最大限の賛辞を贈り、共演を楽しみにしている。