2018年に最も世間を騒がせた実業家といえば、ZOZOTOWNの前澤友作氏だろう。女優剛力彩芽との交際で注目を集め、世界初の民間月旅行計画を発表したり、プロ野球の球団保有の意向を示したことで大きな話題となったが、ネット上ではさまざまな発言で物議をかもした。そんな前澤氏の言動を振り返ってみる。

剛力との交際が一部週刊誌で報じられのは4月。前澤氏はすぐにツイッターで「真剣ですよ! 昔からファンでした」と認めると、以降はSNSで交際をオープンに。しかし7月にサッカーワールドカップロシア大会を現地で一緒に楽しむ様子をアップした際には批判の声が噴出。芸能人からも「ファンのことを第一に考えた方がいい」といった苦言を受けた。

それでも「出るくいは打たれる、ということなので、出過ぎたくいは打たれない、ってなるまで出てしまおう。何事も突き抜けてしまえばね」と前向きな前澤氏はその後もSNSでオープンに発信。SNSを利用する理由について「影響力持ちたいから」と公言し、「影響力を何に使いたいか。それは世界平和のために使いたいです。使命だと思っています」と説明した。

国内有数の資産家で、超高級車やプライベートジェット、美術品のコレクターとしても知られる前澤氏だが、そうした豪華な買い物も彼にとっては“世界平和活動”。「高級車も絵画も、情熱と技術を持った熟練の職人やアーティストが作ります。僕が買うことで、そんな作る人を応援したい。買ったものはみんなに見てもらったり、触ってもらったりして、好きな人を増やして笑顔になってもらいたい。その中からまた作る人が出てくるかも。僕にできる一つの世界平和活動」だという。

世界平和に貢献したいという思いを熱く語る前澤氏。自身の考える世界を平和にする方法は「世の中からお金をなくすこと」だといい、「戦争もテロも殺人も強盗も虐待も貧困も餓死も自殺も、お金がなくなればかなり減らせるはずです。お金がないと生きていけない、という洗脳的な固定観念から人々が解放された時、人々は改めて生きる意味や働く意味を再考するでしょう。本来の人間らしさを取り戻すのです」と持論を展開。そしてお金をなくすためには、矛盾しているようだが、自身は今よりもさらにお金を持ち、そうすることで「世界で名だたる企業、そしてリーダーとなり、世界中の皆さまへ『お金をなくしてみませんか?』という問いかけを続けていきたいと思います」と、壮大な挑戦をぶち上げた。

まるで夢想家のロックミュージシャンのように理想を語る前澤氏を嘲笑する向きはネット上に少なくない。そんなアンチに対して「アンチに気づかされることも多々あります。賛成と反対、称賛と非難、同時に正反対の意見がたくさん寄せられるので、勝手にカメレオンくらい視野が広がります。自分の考えまとまるし、メンタル強くなるし、そう思えば感謝だ、これ」とポジティブに受け止め、「おもわず返事したくなるくらいのアンチコメントお待ちしてます!笑」と呼びかけたかと思えば、「お前らがSNSやテレビの中で人のことばかにしてこそこそ笑ってる間に、俺は進むわ。月へも行くわ。だから、いつまでもそうやって笑ってればいいよ」とイラついてみたりするところもまた彼の人間的な魅力を表しているといえるだろう。

資産は約3000億円。ツイッターのフォロワー数は約50万人。“影響力”を持った彼が世界平和の実現に向けて2019年はどんな活動を見せてくれるのか、期待しながら見守りたい。