人気子役の寺田心君(10)が、あまりにもしっかりし過ぎていて衝撃を受けた。

先日、都内で開催された映画「ジュリアン」(グザビエ・ルグラン監督)のトークショーに出席した心君は、離婚という難しい問題を扱った同作について、「好きという感情の方向を間違えるとこんなに怖いことになっちゃうのだと思いました」と、10歳とは思えない感想を語った。さらに、書き初めも行い、「今」と書くと、「過去と未来の境という意味。その時、その時の今を大事に今できることを一生懸命、頑張りたいと思います」と話した。さすがに司会者も観客も大人すぎる10歳に驚きを隠さなかった。

自分が小学4年生だった頃、何を考えていたのかと思いを巡らせてみたが、何も出てこない。仕方ないので、1984年の出来事を調べてみた。世間的にはロス五輪にロス疑惑、音楽はわらべの「もしも明日が…。」、安全地帯の「ワインレッドの心」、チェッカーズの「涙のリクエスト」が流行していたようだ。テレビでは「宇宙刑事シャイダー」をみていたと思う。どう考えても、心君のように物事をきちんと考えたこともないし、毎日、友達と遊ぶことだけで頭がいっぱいだったような気がする。そんな、駄目な大人と比較しても仕方ないので心君に話を戻す。

心君は昨年のミラノ国際映画祭で外国語映画最優秀主演男優賞を最年少で獲得している。役者としても完成の域に達しているのだ。イベントでは、今後、どんな俳優になりたいかと質問されると、「自分らしい俳優さんになりたい。世界に行けたらいいなと思ったり、これからいっぱいあるので、みなさんに見守っていただきたいと思います」と海外を意識していることを明かした。今後、どんな役者になっていくのか、きちんと追いかけていきたい。