中村扇雀(58)尾上菊之助(41)が8日、都内で、東京・国立劇場小劇場で行われる「3月歌舞伎公演」(3~27日)の取材会に出席した。

「積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)」で、関守関兵衛実ハ大伴黒主に初役で挑む菊之助は「どこまで先人たちに肉薄できるか、魂をかけてやろうと思っています」と意気込みを語った。

以前、同演目で別の役を務めた経験があり「いつかは関兵衛をやってみたいとひそかに思っていました」と話す念願の役。義父中村吉右衛門(74)は関兵衛を何度も演じており、菊之助は「播磨屋の岳父にも立ち会っていただき、形を見ていただきました」と明かした。

扇雀も初役で「元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿」で綱豊を演じる。同役は片岡仁左衛門、中村梅玉の当たり役だが、扇雀は「2人のイメージをゼロに戻して、自分なりの綱豊をつくりたいと決心しました」と話した。

歌舞伎公演は約1500席の大劇場で行われることが多いが、12年ぶりに約500席の小劇場で行われる。菊之助は「客席との近さが小劇場の魅力」と話している。