競泳女子の池江璃花子選手(18)の白血病公表に、芸能界や政界など各界にも衝撃が広がった。過去に白血病を患い、復帰後に世界へと活躍の場を広げた俳優渡辺謙(59)は自身のツイッターで「自分の生命力を信じて」とエール。日本水泳界のヒロイン復活へ、「祈っています」と思いをつづった。

渡辺は「池江璃花子さんのニュースを目にしました。僕も同じ病気を経験しました。なぜ今自分がと、絶望感にさいなまれているのではないかと思います」と池江の胸中を推察した。さらに「どんな状況かは分かりませんが、今の医学を信じ、自分の生命力を信じ、前を向いて、焦らずにしっかり治療に専念してください。祈っています」とエールを送った。

渡辺は89年8月に初主演となるはずだった映画「天と地と」のロケ地、カナダ・カルガリーで撮影中に急性骨髄性白血病と診断され、緊急帰国して入院。降板を余儀なくされた。「この病気とは一生付き合っていかなくてはいけない。肩ひじ張らずに頑張ります」と闘病宣言。入退院を繰り返したが、90年9月、約1年ぶりに俳優復帰した。

94年8月の定期検診で再び異常が発見され、再発が発覚した。会見で「俳優として戻ってくることが、僕にできる最大のメッセージ、仕事」と前向きに語った後、入院。10カ月後の95年6月に現場復帰した。病気を克服後は03年「ラストサムライ」で米アカデミー、ゴールデングローブ助演男優賞などにノミネートされるなど、国内外で活躍している。

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女優吉井怜(36)が12日、NHK「ニュースウオッチ9」にVTR出演し、自身と同じ18歳で白血病と診断された池江にエールを送った。吉井は00年に急性骨髄性白血病と診断されたが、翌01年に母親から提供されて骨髄移植を受け、芸能界に復帰。「ご家族や一緒に戦ってきたチームの皆さんとか、自分の大切な人たちに甘えて、自分だけで全部抱え込まずに、弱音も吐き出して、絶対に復帰して戻ってくることを本当に信じているので、自分自身を信じて治療に専念していただけたらなと思います」と力を込めた。

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池江と交流がある元陸上選手でタレントの武井壮(45)が12日、ツイッターを更新し、「ものすごくやるせない気分。神様たのむよ。全力で祈る」と、白血病を公表し、闘病する池江に対すると思われるエールをツイートした。池江は昨年の武井の誕生日に「お誕生日おめでとうございます」とツイートしていた。

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ラグビー界からも、池江に対する激励の声が上がっている。元日本代表の五郎丸歩(32)は「頑張ってほしい」。畠山健介(33)は「ラグビーではリアリーファノという世界的プレーヤーが白血病から復帰して日本のリーグにやってきてくれました! 池江さんもきっと」と、それぞれエールを送った。