ミュージカル「はだしのゲン」が4月3日から7日まで東京・新宿の全労済ホールで上演される。

広島で被爆した故中沢啓治氏の同名漫画の舞台化で、少年ゲン役に劇団民芸のいまむら小穂(さほ=37)が主演する。

初の少年役に髪を切った。「話があった時に『私でいいんですか』と聞いた。演出家に少年を女性が演じることの意図を聞き、やろうと思った」。民芸の研究生時代に原爆をテーマにした舞台に出演し、広島の平和記念資料館に行き、被爆者の話も聞いた。「その時に『はだしのゲン』も読んだけれど、演じることになってご縁を感じた」。

同作は96年初演。国内外で上演を重ね、今回は東日本大震災で被災した石巻市、南相馬市で公演する。「ゲンの成長する姿を体現し、謙虚に一生懸命演じることが私の役割。ゲンが生きる気力を失った男に『生きんかい』というせりふを見る方にしっかり伝えたい」。