ロックバンド「カブキロックス」のボーカリスト氏神一番が6日、都内で、デビュー30周年記念ディナーショーに出席した。

ショー前に取材に応じ、「30年できると思っていなかった。企業も30年続けば成功と言われるので、拙者も成功と言えるかもしれない」と話した。自らを“人生の社会見学者”と称し、「拙者は興味のあるものには食らいついていこうと思っていて、これからもその姿勢は変わらないつもり」とアピールした。

カブキロックスは89年、TBS系「平成名物TV 三宅裕司のイカすバンド天国」に出演し、翌年メジャーデビューした。歌舞伎の隈(くま)取りを意識したメークと派手な和装が特徴だ。

3日には、内田裕也さんのお別れ会にもカブキメークで出席した。内田さんとは25年の付き合いだ。きっかけを「銀座数寄屋橋の交差点で、タキシード姿でバラの花束を持って立っていた。そこで声をかけさせていただいた」と振り返った。その場で「ミソ煮は好きか?」と言われとまどったが、それが「みそか空いているか?」の聞き間違えだったことがわかり、内田さん主催「ニューイヤーズ ワールド ロックフェス」に25年、出演することとなった。

“ロッケンローラー”を貫いた内田さんを「理想ですね」とし、「拙者もカブキロッカーとしてこの格好で。夢はこの白塗りでステージで倒れること」と話した。そして「荒ぶる魂を燃やし続け、全力で突っ走って行きたいと思いまする」と歌舞伎風に宣言した。

またこの日、今まで非公表としてきた年齢を「還暦です」と明かした。これまで“元禄3年から現代にタイムスリップしてきた”としてきたが「もう面倒になってきた。年齢はしょせん記号ですから」と笑った。

人生でまだかなえていないのは「プロレスラー」と「映画監督」という。その「プロレスラー」は4月30日、西口プロレスでデビューすることを明かした。「子どものころミル・マスカラスに憧れていた。ロッカーよりもプロレスーになりたかった」と告白した。

ディナーショーではヒット曲「お江戸-O・EDO-」を含む計5曲を披露。スペシャルゲストに山本リンダ(68)を迎え、「狙いうち」など2曲を歌った。また、湯川れい子氏、松崎しげる、川中美幸らが祝辞コメントを寄せていた。