“平成最後の破天荒アナウンサー”の異名を持つ垣花正(47)がニッポン放送を退社、4月からフリーランスに転身した。働き方改革で仕事の機会が減ってしまうのがイヤで「もっと働きたい!」と自ら“逆・働き方改革”を敢行し、会社を飛び出した変わりダネだ。ラジオ界一の破天荒人気アナは先日、「憧れだった」という東京・江東区の東京スポーツ新聞社を訪れ、取材に応じた。
「東スポにタイムカードがあるのには、驚きました。独自スクープを飛ばす野武士集団は、管理に縛られないのかなと思ってましたけど…」
憧れの東スポを初訪問、編集部を見回し興味津々の垣花は、自ら「落ちこぼれの“東スポ的なアナウンサー”だ」と笑顔を見せる。
「競馬が大好き」で2005年の有馬記念で全財産をスッたことがある。
この年はディープインパクトが圧倒的な1番人気ながらも、ハーツクライに敗れ2着。「当時、借金があったんですけど…、貯金と給料とボーナスの全部で130万円くらいかな、有り金をかけてそれが3倍になれば返せると思い、ディープ―ハーツの馬単1点にかけたら、結果は逆目(ハーツ1着、ディープ2着)で一文無しに。覚えてるのは、東スポは『ディープに異変あり』と報じているんです。でもそのとき、東スポを信じられなかった(笑い)」
全財産を失った垣花は「その日、タモリさんとのお仕事があって、真剣に『お金貸してください!』とお願いしようかと思いました(笑い)」。
そんな垣花はアナウンサーになる前に「欽ちゃん劇団」に在籍していた。
「早稲田大学に入学して上京、欽ちゃん劇団に第1期生として入ったんです。同期ははしのえみちゃん。欽ちゃんにいろんなことを教えてもらい、演技の道に行くかなと考えた」というが、「大学は卒業しなければ」と思い退団。その後、「自分は人に話をするのが好き」という動機でニッポン放送を受けた。
「ラッキーなことに合格したんです。面白いキャラだと思われて、入社早々いきなりオールナイトニッポンの2部パーソナリティーに抜てきされた」
ただ、新人時代は「ウケないわ話せないわで、当時1部の福山雅治さんが最高聴取率で、僕は最低。1年で終わりました」と散々な結果だった。
アナウンサーをクビになる覚悟をしたというが「気骨のあるディレクターが『風俗とギャンブルの好きなノーフューチャーな男、クールK』という設定で起用してくれた。上司の命令通りモヒカン刈りにして、せっせと自腹で風俗に通いネタにされてました(笑い)」。
今度は破天荒エピソードがリスナーにバカウケし、出演中の看板番組「あなたとハッピー!」はニッポン放送全番組の中でトップの聴取率を誇る。それでも働き方改革で仕事が減ると知った垣花は、年収が減ってもいいから「もっと話す仕事をしたい」と独立を決めた。
そして今月からホリプロに所属。新たなスタートを切ることになったが、実はホリプロの重鎮・和田アキ子とは因縁があった。
2001年に「ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回」の3代目アシスタントに就任した垣花だったが初仕事でまさかの遅刻。
「アッコさんには『謝らなくていいよ。もう二度と会うことがないんだから』と言われた」と強烈な思い出がある。ところが、そんな縁でホリプロに所属。世の中、何が幸いするかわからない!? この先、どんな破天荒ぶりが見られるか、乞うご期待!
(ジャーナリスト・中村竜太郎)
☆かきはな・ただし=1972年1月1日生まれ、沖縄県宮古島出身。94年、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。「テリー伊藤 のってけラジオ」の中継コーナーが人気となる。人気の朝のワイド番組「垣花正 あなたとハッピー!」(月~木曜、午前8時~11時30分まで生放送)は12年目に突入した。