けん玉、ドローン、カブトムシと幅広い趣味を持っている演歌歌手・三山ひろし。先日は「いまはまっている」という包丁研ぎをイベントで見せてもらった。

 三山が研いだのが、鳥羽一郎が20周年記念のパーティーで配っていた関孫六という包丁だ。鳥羽も「見事に研いでいるね」と感心するほどの出来栄えだった。包丁を研ぐきっかけは三山の師匠・で作曲家の中村典正氏から、その関孫六の包丁を研ぐようにといわれたことだという。「忙しいとき、包丁を研いでいると落ち着く。精神修養にいい」と話していたが、包丁研ぎのはまりっぷりは半端ない。「砥石を4枚と砥石を削る石が1枚もっている。まだまだ欲しい砥石もある」と極めるだけ極めたいとも。とにかく本人は「いろいろなことにはまりやすい」という。

 けん玉では四段と段位を持つ三山は、ドローンでは3級を持っている。ドローン操縦のきっかけは「おもちゃのドローンをもらった」ことだった。「3級の試験は筆記と実技なんです。いろいろな法律の勉強をしたり、実技もどこまでの高さで飛ばすかとか、直線で進むとか、八の字を書いてみるとか、いろいろあるんです」と話していたが、忙しい仕事の合間を縫って、よく勉強できたものだと感心させられる。「ラジコン協会のホームページの3級のところに僕の名前も載ってますよ」と話していたが、実際、「一般社団法人 日本ラジコン電波安全協会」のドローンオペレーター3級のところに三山の本名も載っている。

 けん玉からドローンまで。昔のものから最新のものまでと、趣味の振り幅は広いが、三山は「やっぱり、これからを生きていくんですから、新しいものも積極的に取り入れていかないといけないと思うんです」と淡々と語っていた。その貪欲な姿勢は見習わないといけないなと思わせるほどだ。

 本職の歌では演歌のほかにも三波春夫さんを尊敬し、浪曲も歌いこなす三山。古いものから新しいものまで、様々なものを取り入れることは、歌の世界にも間違いなくいい影響を与えるはずだ。

(文化部デスク・島崎勝良)