新日本プロレス20日の愛知県体育館大会で、IWGPインターコンチネンタル王者・飯伏幸太(36)がザック・セイバーJr.(31)の挑戦を退け初防衛に成功した。

 先シリーズ「NEW JAPAN CUP」2回戦で敗れただけにリベンジを期した一戦だが、またも天敵の関節技に苦しめられた。月面水爆を剣山で迎撃され三角絞めに捕らえられるなど、得意の空中技も封じられる。さらに20分過ぎには、十八番のザックドライバーで脳天から突き刺された。

 それでも王者の意地と責任感が飯伏を反撃に駆り立てる。強烈なハイキックを叩き込むと、シットダウン式ラストライドを発射。カミゴェをかわされオクトパスホールドに捕らえられるも、これを脱出して体を持ち上げると、ゴー2スリープの要領でヒザをグサリ。最後はカミゴェで激闘に終止符を打った。

 試合後のリング上には前王者の内藤哲也(36)が登場し「次の挑戦者、俺が立候補するよ」とリマッチを要求。返答を求められた飯伏が「トランキーロ! しゃべんなよ。…でも次の答えは、シー(スペイン語でイエスの意)、やりましょう」と応じたため、V2戦で同年代ライバル対決が決定的となった。

 さらに内藤が去った後にはファンの前で「ここでひとつ報告があります。飯伏幸太、新日本プロレスに入団しました」と明かした。飯伏は2013年10月に当時所属していたDDTと新日プロにダブル所属として入団。16年2月に両団体を退団してフリーとして活動していたが、約3年ぶりに古巣に再入団していたという。

「僕の最終目標は、このベルトをみんなが思ってる一番のベルト、IWGPと並ぶ、もしくは超える位置に持っていきたいと思います」と豪語した飯伏は、今シリーズは22日の後楽園大会が最後の出場と発表されていた。

 だが自ら「全部入れてください」としてカード変更とフル参戦を要求。最後は「…限界」とつぶやきながら控室へ消えたが、IC王者として、そして新日本のレスラーとしての覚悟を胸に、ゴールデンスターの全力疾走はさらに加速する。