【本紙に激白・後編】「残念だけど、このままいったら芸能界は消滅するよ!」。“昭和の役者”を自任する梅宮辰夫(81)は本紙昨報の前編に続き、今回は「令和の芸能界」に対してこう予測した。根拠の一つは「芸能界が素人ばかりになって憧れの世界ではなくなってしまった」こと。「芸能界は大衆が常に憧れる世界でなければならない」という持論がある梅宮にとって、平成の芸能界は歯がゆさだけが残った。その上で「もう“令和”なんかには期待していないよ。僕のいた芸能界からはもっと距離が離れていくだろうな。令和の芸能界は一般社会と変わらない世界になってしまうはずだ」と言い切った。

「今さら懐かしむわけじゃないけど、僕がデビューした時の昭和の芸能界は、今なんかと比べられないほど個性的で、しかも格好いい、すてきな映画スターが多かったね。そんな時代のことを語ると古いって言われるかもしれないけど、あの頃は…例えば伊藤雄之助、上田吉二郎とか、癖のある人や、それこそ誰もマネすることができないような役者ばかりだった。そういった連中がたくさんいたわけさ。それが、平成になったら一気に素人ばかりの世界になっちゃった。つまり、やっぱり映画からテレビの時代になっちゃったのかもしれないけど、ほとんどの俳優というか芸能人が、それこそテレビCMのために存在しているようになっちゃったってことだよ。みんな商品の宣伝のために出ている。それこそ薬品とか化粧品とかね。もちろん、それが悪いって言っているわけじゃないけど、宣伝ばかりやっているような、そんな連中がゴロゴロしてきちゃってね。本当、つまらない世界になっちゃったよ、芸能界っていうのが。そう思わないか?」

 昭和の末期にあたる1980年代の後半、女子大生旋風を契機におニャン子クラブなどが人気となり、時代は一気に“素人ブーム”に突入した。

「芸能人のことをダイヤモンドに例える連中がいるけど、砂の中にダイヤモンドが100個も200個も転がっていたって、そんなもの何の希少価値もない。はっきり言って、消えていってほしいようなのばかりだよ。ま、そんなやつらは放っておいても消えていくんだろうけどね。ここまで誰からも特別視されなくなった芸能界が“令和”になったからって劇的に変わるわけないだろう。だから僕に言わせたら、そんな芸能界は消滅するしかないってことなんだよ。ま、そういった中でもジャニーズの若い連中なんてのは、確かに頑張っていると思う。でも、それだって、もうすぐ消えていきますよ。ちょっと変わった人間が出てきたとしても、それほどの価値がない。もはや珍しくも何ともない。芸能人というのはどうあるべきかっていう部分が全然ないんだよね、今の時代は…」

 しかし、だからといって、芸能界を引退するわけではない。今の梅宮には使命があるという。

「僕はね、芸能界を最後まで見極めたいと思っているんだよ。それはね、今の芸能界が、どのように終わっていくかってことを、これから何年生きられるか分からないけど見極めなければならない。で、お先に逝っている高倉健や菅原文太とか、もちろん松方弘樹に報告しなきゃいけないんだよ。『令和になって残念ながら…』ってね。それが生き残った者の役割だと思っている」

 芸能界が消滅する――。梅宮の発言は厳しいが、裏を返せばそれだけカリスマの出現を期待していることにほかならない。昭和のスターをうならせるほどの芸能人は、令和の時代に現れるのだろうか…。(終わり)