マリナーズの菊池雄星投手(27)が「松ヤニ疑惑」の渦中に立たされている。

 菊池は8日(日本時間9日)のヤンキース戦で今季最長、7回2/3を投げ3安打1失点の好投で2勝目を挙げた。

 一方でこの試合を中継したヤンキースの地元中継局「YESネットワーク」が菊池の帽子のつばの裏側に松ヤニと見られる異物がベットリと付着している映像をスローモーションで紹介。この写真がNBCスポーツ電子版やヤ軍、マ軍番記者のツイッターなどを中心に拡散された。

 MLB公式サイトでヤ軍番記者を務めるブライアン・ホック記者も、自身のツイッターで「ブーン監督は8回に菊池の帽子の裏のその異物(松ヤニ)に気づいた、と話している」と投稿するなど、議論の輪もSNS上で広がった。

 しかし、事実なら明確なルール違反にあたる菊池の「松ヤニ使用疑惑」について試合中にヤンキースベンチから審判団へのアピールはなかった。これを本気で取り締まることになってしまっては、ほぼ全投手がその罰則対象となってしまうからだ。

 要はメジャーでは暗黙の了解となっている松ヤニ、シェービングクリーム、各種ローション、オレンジジュースなど「グリップ(滑り止め)の使用」については、双方が了承の上で使用を黙認しているということ。

 菊池の今回のニュースは首筋にベットリ松ヤニを塗った2014年のマイケル・ピネダ投手(当時ヤンキース)と同様「スマートに使用しなかった」ことに対する警告の意味合いが強いということだ。