空母いぶき:女性声優だらけでまさかのボイスドラマ化 上坂すみれ「新しい萌えの領域」

映画「空母いぶき」のボイスドラマ「第5護衛隊群かく戦えり-女子部-(映画「空母いぶき」より)」に声優として出演する上坂すみれさん
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映画「空母いぶき」のボイスドラマ「第5護衛隊群かく戦えり-女子部-(映画「空母いぶき」より)」に声優として出演する上坂すみれさん

 「沈黙の艦隊」などで知られるかわぐちかいじさんのマンガが原作の映画「空母いぶき」(若松節朗監督)が24日に公開されることを記念して、ボイスドラマ「第5護衛隊群かく戦えり-女子部-(映画「空母いぶき」より)」が、映画の公式サイトで12日から順次、配信される。映画で西島秀俊さんが演じる主人公・秋津竜太を上坂すみれさん、佐々木蔵之介さんが演じる新波歳也をM・A・Oさんが演じるなど女性声優が男性キャラクター役に挑戦。異色のドラマになっている。上坂さんにこの斬新な企画について聞いた。

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 ◇原作、映画と同じ空気 声だけ女性の男らしい作品

 「空母いぶき」は、かわぐちさん作、惠谷治さん協力のマンガで、「ビッグコミック」(小学館)で2014年12月から連載中。映画は、沖ノ鳥島の西方450キロ、波留間群島初島に国籍不明の武装集団が上陸し、海上自衛隊が小笠原諸島沖で訓練航海中の第5護衛隊群に出動を命じる……というストーリー。

 ボイスドラマは映画の脚本も手がけた伊藤和典さんが監修、演出を担当し、企画に福井晴敏さんも参加。本格的ではあるが、女性声優が男性を演じるという斬新な企画となった。上坂さんは「艦隊これくしょん -艦これ-」「ポプテピピック」などでも知られる人気声優でこれまでもさまざまな作品に参加してきたが、今回の企画には驚いたという。

 「ミリタリーと女性キャラは相性がいいものですが、原作も映画もリアルな海自の世界を描いています。どうアレンジされているのか?と気になりましたが、意外にアレンジされていなくて、すごく新鮮でした。女子ミリタリーものは、ゆるふわな作品も多いのですが、今回は原作、映画と同じ空気感のままで、声だけが女性。男らしい作品になっています」

 ◇今度はゆるい「空母いぶき」も!

 上坂さんはいぶきの艦長・秋津竜太に加え、ナレーションにも挑戦。声は女性だが、演じるのは男性キャラクターだ。独特としか言いようがない世界ということもあり、演じる際は試行錯誤した。

 「声を低くすればいいわけではないですし、初めて挑戦する領域でした。試行錯誤も多かったです。メンタル的には海上自衛隊員だけど、声は女の子。新しい萌えの領域ですね。何のサービスシーンもないです(笑い)。秋津さんは冷静で、艦長なのでうろたえたりしません。今までは感情を表に出すキャラを演じることが多かったので、学ぶことも多かったです。海自の世界なので、りんとした感じを意識して、格好をつけすぎずに演じました。キャラクターデザインはないのですが、想像の中でアニメ的なキャラ分類すると秋津さんはクーデレ(クールデレデレ)? 頭身高めなイメージですね」

 上坂さんやM・A・Oさんのほか、湧井継治役の田村睦心さん、中根和久役の三澤紗千香さん、葛城政直役の小松未可子さん、近藤隆夫役の川上千尋さんら出演者は女性声優のみ。シリアスなドラマだが、収録は和気あいあいとしていたという。

 「妙なテンションになったこともありました。ゆるい『空母いぶき』を考えよう!となって『ここは空母いぶき、日本の領海を守るよ!』と言ってみたり(笑い)。真面目なものをやっていると、脳がバランスを取ろうとするのかな? 今度はゆるい『空母いぶき』があってもいいかもしれませんね」

 ◇夢は潜水艦でソ連国歌を合唱

 この日、上坂さんは映画で使用された海上自衛隊の衣装を着てインタビューに登場。「テンションが上がります! 生地感もいいですね。こんないいコスプレをさせていただけるなんて超ラッキーです。本当に欲しいです!」と興奮した様子だ。

 また、上坂さんは歌手としても活動しているほか、バラエティー番組「上坂すみれのヤバい○○」にも出演したり、ソ連好き、ミリタリー好きとしてコメントしたりするなど幅広く活躍している。

 今後、挑戦してみたいことを聞いてみると「これをやりたい!と考えないで生きてきたんです。何も考えずにいることが、不思議なコンタクトをいただける秘訣(ひけつ)なのかな? ただ、潜水艦に乗ってみたいです。映画『レッド・オクトーバーを追え!』が好きで、特に好きなのが、潜水艦でソ連国歌を合唱するシーン。女性声優で集まって潜水艦でソ連国歌を合唱してみたいです。どれくらい音が広がっていくのか実験したいです」と語る。大きな夢ではあるが、さまざまな活動をしている上坂さんなら実現するかもしれない……。

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