それでも今後も立場は安泰? 大相撲の横綱白鵬(34=宮城野)が夏場所(12日初日、東京・両国国技館)を休場することになった。白鵬は42回目の優勝を果たした春場所の千秋楽で右上腕を負傷。師匠の宮城野親方(61=元幕内竹葉山)は9日、東京・墨田区の部屋で報道陣に対応し「休場です。本人は治す気で頑張っていたが、なかなか治らなかった」と説明した。

 この日、日本相撲協会に「右上腕二頭筋断裂、全治3週間」との診断書を提出した。今後は手術を受けず、保存療法で回復に努める予定で、次の名古屋場所(7月7日初日、愛知県体育館)での復帰を目指す。白鵬にとっては直近2年間(12場所)で実に7度目の休場。ただ、今回の休場で横綱としての立場が危うくなることはなさそうだ。

 昨年は4場所で休場する一方、皆勤した9月場所は全勝優勝。今年も1月場所で途中休場したが、先場所は全勝Vを果たしている。全盛期を過ぎたとはいえ、依然として他の力士とは大きな実力差があることは確か。数場所おきに有無を言わさぬ成績を残して進退問題を未然に防いでいる。期待されている若手の突き上げも停滞気味。白鵬が休場している間に土俵の勢力図が大きく塗り替わりそうな気配はない。

 相撲解説者の北の富士勝昭氏(77=元横綱)は6日に行われた横審稽古総見の視察後、冗談交じりにこう話していた。「白鵬には1年に3回くらい出てもらえればいい。どこか悪くたって(本場所に)出てきたら、優勝するんだから」。かねて白鵬は東京五輪が開催される2020年までの現役続行を公言。よほどのことがない限り、その目標を実現しそうな流れだ。