12日の“母の日”を控えた10日、2012年ロンドン五輪柔道女子57キロ級金メダリストの“野獣”松本薫さん(31)が、都内で行われた「第12回ベストマザー賞2019」(一般社団法人日本マザーズ協会主催)に出席した。

 スポーツ部門の受賞となった松本さんは16年に結婚し、17年に第1子となる女児を出産した。今年2月の現役引退後は、健康を意識したアイスクリーム店をプロデュースし、1歳11か月の長女を育てながら店頭に立っている。

 松本さんは「ママとしては白帯。お話を頂いた時期は、ちょうど母として悩んでばかりいたので、私でいいのかなあと思ったが、これからも娘と向き合って頑張っていく。あとは…何も考えていなかったので。すみません、終わります」と、現役時と変わらぬ天然ぶりで笑いを誘った。

 そんな“愛されキャラ”の松本さんは、畳の上とは違って家庭では“野獣”ではないのだとか。「野獣になるにはスイッチを入れるのが大変なので。朝の満員電車で席取りする時には、野獣で頑張っている。座れないと30分ずっと立ちっぱでつらい」と明かす。

 夫似の長女がかわいらしくてたまらない様子で「朝、ベビーカーに乗せて、ダンナと私で走っているが、最近は自分でやりたがるようになり、週イチで走りだした。もちろん、すごくゆっくりだけど。いつか柔道をやりたいと言えばやらせる。ただ、自分は教えない。道場の先生がかわいそうなので。陰で見守る」と、ユーモアを交えて語った。

 厳しい減量を強いられるアスリートでも食べられるように、乳製品、白砂糖、グルテン、トランス脂肪酸不使用の“ギルトフリー”なヘルシーアイスを、一から研究して作っている。子育て同様、こちらも白帯からのスタートだ。

「娘が風邪で何も食べられない時に、アイスだけは口にした。すごくうれしかった」。長女は松本さんが丹精こめて作ったアイスのおかげで、元気を取り戻した。「娘とちょうどいい距離感をとって、(仕事と子育てを)うまく両立していると思う」。仕事が子育てにもいい影響を与えているのだろう。

 松本さんの子育てのポリシーは自然体。「子供にダメなことはダメだと教えるが、それ以外に関しては特に何も言わない。将来は自分で考えて、自分で行動し、自分でしっかり立てる人間になってほしい。私も娘と一緒に成長したい」と締めくくった。