認知症を題材にした異色の映画「長いお別れ」(31日公開)のプレミア試写会が15日、都内で行われた。

蒼井優(33)竹内結子(39)松原智恵子(74)北村有起哉(45)のメインキャストが出席。蒼井は「演じて体感した以上にとっても深い味わいのある作品になりました。お姉ちゃんがいないので姉役の竹内さんが頼もしく、ありがたかったです」と振り返った。

竹内は「いつもみたいに謎解きの作品ではないので今日は安心して内容が話せます。最初のリハーサルを兼ねたお食事会で皆さんとうち解けられたので、家族らしい空気ができたと思います」と話した。姉妹の母親を演じた松原は「私の年代に近いお話なので、最初は胸が苦しくなる思いでしたが、監督から『前を向く話ですよ』とお聞きし、私自身も前を見て撮影に臨めました」と明かした。姉の夫を演じた北村は「だんだん冷静ではいられなくなる展開ですが、最後にポッと胸が温かくなる作品です」と話した。

「湯を沸かすほどの熱い愛」(16年)で知られる中野量太監督(45)は「リハーサルを兼ねた食事会は父親が認知症になる前という設定で、皆さんに『家族』になっていただければとの思いで開きました」と話した。

映画の内容になぞらえてそれぞれの家族のルールを「いつもハグし合う」(蒼井)「パンでもおでんでもみそ汁が付く」(竹内)「お誕生日はケーキを誰かが買ってきて写真を撮る。当たり前ですね」(松原)「缶ビールを開けるときは必ず『乾杯!』という」(北村)「大みそかは必ず手巻きずし」(中野監督)と明かした。

ゆっくりと記憶を失っていく父親役にふんした山崎努(82)は体調不良のため欠席した。