【ニューヨーク州オールバニ20日(日本時間21日)発】WWEのロウ大会が開催され、“ザ・マン”ことロウ女子王者ベッキー・リンチ(32)がWWE女子タッグ王者を撃破して、また「男」を上げた。

 昨夜の「マネー・イン・ザ・バンク(MITB)」(19日、コネティカット州ハートフォード)ではダブル防衛戦を敢行しながら、シャーロット・フレアー(33)にスマックダウン(SD)女子王座を奪われた。この日は小悪魔アレクサ・ブリスのトークショー「ア・モーメント・オブ・ブリス(ブリスの部屋)」にゲスト出演。しかし進行役の意図を無視して、単なる自己主張の磁場と化しているコーナーには、やっぱり次々と女子選手が登場し続けた。

 テーブル後方には呼ばれてもいないのに怪女ニッキー・クロス(30)が舞台装置のようにニコニコと無言で立っている。ようやくベッキーが語ろうとするや、今度はWWE女子タッグ王者の騒音美女集団アイコニックス(ビリー・ケイ、ペイトン・ロイス)がキャーキャー騒ぎながら登場。「ツーベルトのニッキーがワンベルトのニッキーになったわ。祭典でチャンピオンになった私たちはツーベルト。私たちが上よ。キャーッ」と耳を覆いたくなる嬌声で勝手な理論を展開した。

 静かに聞いていたベッキーはようやく口を開くと、アイコニックスに対して「あのさあ、あんたたちの2本のベルトなんて私一人でも取れるよ。何なら今からやってやろうか?」と通告。するとほとんど人語を話さないニッキーが、無言でニコニコとカリスマの横に立ちパートナーを志願した。

 ここに前夜ロウ女子王座戦で退けた後、SD女子王座戦に乱入して敗戦のきっかけとなった貴婦人レイシー・エバンス(29)まで登場したからもはや収拾がつかない。急きょベッキー、ニッキー、アレクサ組対レイシー、アイコニックス組の6人タッグ戦が実現した。

 試合は怪女ニッキーが奮闘するも、負傷により女子MITBラダー戦を欠場した上、コーナーを妨害されたアレクサはふてくされた表情でコーヒカップを持ちながらコーナー下に立つのみ…。最後はニッキーが最上段からのギロチンドロップを決めてビリーから3カウントを奪った。カリスマはベルトを掲げると、パートナーとは視線も合わせずリングを降りた。

 1日2試合の激闘からわずか24時間後、不本意ながらも早くも復帰戦で快勝したカリスマ。今後もロウ女子の主役の座は譲らない。なお「ブリスの部屋」の来週のゲストはもちろん未定だ。