「喝采」「北酒場」で2度の日本レコード大賞を受賞した作詞・作曲家の中村泰士氏(80)が、80歳の誕生日を迎えた21日、大阪市内のホテルでスペシャルディナーショーを開催した。

 大阪桐蔭高校吹奏楽部によるオーケストラに迎えられ、ド派手な金のヒョウ柄ジャケットをまとい登場した中村氏は「仏壇ルックです」とボケをかますと「かっこええオープニングやろ? 今日のチケット10万円もらいたいところ、70%オフにさせてもらいました。八十代の大台を迎えられたのも、ひとえに私の努力です」と話して笑わせた。

 ショーでは中村氏の作曲家デビュー作「今は幸せかい」を歌った歌手・佐川満男(79)と共演。また、中村氏作曲の「わたしの青い鳥」で第15回日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞した桜田淳子(61)から傘寿を祝う手紙、ムード歌謡グループ「純烈」からメッセージビデオが寄せられた。

 さらに、夫婦デュオ「ヒデとロザンナ」のロザンナ(68)がシークレットゲストとして登場。中村氏が作曲した「愛は傷つきやすく」をデュエットし花を添えた。まさかの登場に中村氏は「驚かすなよー。本当に知らなかった。汗びっしょびしょ」と喜ぶと、ロザンナは「(ヒデが47歳で亡くなった分)私は100歳まで生きるから、泰ちゃんもあと35年くらいやってくださいね」と祝福した。

 80歳とは思えないパワフルさで14曲のステージを終えた中村氏は「あと5年は歌えると思った。70代ってまだまだ若いと思ってたけど、80歳になったら勢いで何でもできる。今日も『新時代』って曲を披露しましたが、悲喜こもごものメッセージを込めた。今、歌うのが楽しいし、毎日曲が浮かぶんですよ。音楽が本当に楽しい。紅白に呼ばれたら? 『出てやりましょう』って気持ちですね」と笑った。

 この日のステージには、3月に肺炎のため死去した内田裕也さん(享年79)をシークレットゲストとして招くプランもあった。かなわぬ夢となったが「残念ですが、僕の中ではまだ死んでないんです。僕の中にずっと生き続けてますね」と語った。